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歯周病治療

まず、歯周組織の役割って何でしょう。

歯周病組織

歯を支える歯周組織には次のような役割があります。

(1) 歯槽骨に歯を固定させます

歯槽骨に歯をしっかりと固定させて、強い咬合力にも歯が揺るがないようにしています。
70歳を過ぎてもしっかりした歯ぐきです。こういった方は全身的にも健康そのものです。

しっかりした歯ぐき

(2) クッションの役割を果たします

歯槽骨も歯も硬いものです。強く咬合すると、どちらかが破損してしまいます。歯と歯槽骨との間には、約数10ミクロンの歯根膜という軟らかい膜状の組織が介在して咬合した力を緩めながら、歯槽骨に伝えています。

クッションの役割

(3) 防御機構があります

歯面についた細菌の塊(プラーク)が、やがて歯肉で覆われた歯根の周りに入り込んできます。プラークの侵入によって炎症を起こすので、身体はプラークを洗い流し、外に追い出そうとして唾液性の浸出液を歯根の周りから流失させます。 (主に唾液の作用で)

歯肉の辺縁部では、入り込もうとするプラークと、洗い流そうとする唾液性の滲出液のせめぎ合いとなります。
この『浸出液を出さなくてはならない』と脳に指令を送るのが結合組織です。
プラークの量が多くなれば、排除の力が追いつかずに歯肉炎歯周病となってしまいます。

(4) 食感を味わうことにも関係しています

食事では、食品の食感も楽しみの一つですが、この歯周組織が脳に食感を伝える役割を果たしています
食べ物を歯で噛むと、瞬時に脳に伝達され『どう噛めばいいか』という判断をしています。

食感を味わうことにも関係

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歯周治療とは

歯周病ってナニ?

歯周病とは歯と歯肉に近い部分についた歯垢(プラーク)の中にいる細菌によって歯を支える組織が破壊されていく病気です。
口の中に存在する常在細菌が集合して活動することで、歯垢(プラーク)が形成され、その中で酵素、毒素が発生し、歯肉が腫れあが、慢性化すると歯を支える骨が徐々に破壊されてしまいます。
ひどくなると、腫れや痛みが続き歯の失われる大きな要因となってしまいます。

歯周病の口腔

初期の歯周病の場合、進行が非常にゆっくりしているので気付かないことが多々あり、かなり進行した状態でも自覚症状を持つ人はすくなく、支える骨が吸収して歯がぐらつくのを感じてから歯周病を自覚する場合がほとんどです。

歯を失う最大の原因です

35歳では、80%以上の人が歯周病になっています。
しかし、35歳になってから突然、歯周病になるわけではありません。

実は、10代から少しずつ進行していき、20数年の歳月をかけて、歯肉をジワジワとゆっくり冒し、歯ぐきから血が出るという自覚症状が出る30代の頃には、もはや歯周病になってしまっています。

むし歯と違ってそれまでもほとんど痛みがないため、気付いた時には抜くはめに ‐‐‐ ということもあります。

こんな症状があったら要注意です

  • 歯磨きのとき、歯ぐきから出血する
  • 口臭が気になる
  • 歯がぐらついてきた。硬いものが噛みにくくなった。
  • 時々浮いたような感じがする。
  • 歯と歯のあいだに食べ物がよくはさまる
  • 歯ぐきが赤く充血している
  • 水を飲むと歯や歯ぐきがしみる
  • 朝起きると口の中が変な味がする

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歯周病とは—さらに詳しく

歯周病とは?

食事を摂ると歯の表面には歯垢(プラークが残り、時間経過とともにこの中で細菌が増殖し無色の膜(バイオフィルム)が形成されます。

毎日取り除かなければ、プラークは口の中で食べ物の中の糖分やでんぷん質と混ざり合って、細菌の栄養源となってしまい酸などの副産物を作り出します。

歯の固い組織を溶かせば虫歯になり、歯と歯ぐきの隙間に入れば歯周病となります。

歯周病は、歯と歯肉のあいだ(歯肉縁下)に入った歯周病原菌によって起こります。
細菌の活動は、歯と歯肉の間の結合組織を徐々に壊し(付着の喪失の始まり)、すきま(歯周ポケット)を作ります。

そして隙間の奥へ奥へと進行増殖して行き、歯周組織(歯肉、歯槽骨)を破壊してゆきます。(下の図)このとき、バイオフィルムは時間経過とともに固く歯の周囲に沈着してゆき、歯石となって歯周病菌の格好の棲みかとなってしまいます。

人間のからだには生体防御機構(免疫力など)が働いているため、初期の段階では症状は現れません。
特に、歯周病は他の疾患と違って痛みもなくゆっくりと進行するので、ほとんどの人は歯周病にかかっていることに気がつきません。
早期に発見して治療を行っていけば歯を失われずにすみます。

歯周病の初期の段階が歯肉炎

このとき生体の防御力は、加齢による低下やタバコストレス全身疾患などの危険因子によって、大きく左右されます。

歯周病の初期の段階が歯肉炎で、炎症が深部組織(セメント質、歯周靱帯、歯槽骨)に進行したものが歯周炎です。

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歯周病を治すには

歯周病の原因である原因菌を除去するには

棲息している歯垢やこれが石のように硬くなって付着している歯石を徐去する必要があります。
歯石除去は歯科医院で行い、歯垢が付きにくくなるように適切なブラシング指導を受けましょう。

大量の歯石の付着した下の前歯の裏側

(写真)大量の歯石の付着した下の前歯の裏側です。

歯石を取るだけで改善できない場合外科的な処置が必要になることもあります。
毎日のブラッシングと定期的な検査を継続的に受けましょう。
幸いにこんな症状がまだなくとも、予防的な検査と処置を受けておくと安心です。

毎日のブラッシング

歯が失われる原因

20歳代では、むし歯が61%なのですが、50歳代になると、歯周病が原因となったケースが55%で 一番多くなります。

特に、中高年期以降になると、歯を守るためには歯周病の予防と処置をすることがキーポイントとなってきます。

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歯周病の実際の治療法について

一度歯の周囲の骨を溶かすほど進行してしまった歯周病は、基本的に症状が落ち着くことがあっても、歯を支える顎の骨が元の量に戻ることはありません。
そのためできるだけ早期発見、早期治療が大切になっきます。

第一に歯石を取り除くことから歯周病治療は始まります。

歯周病は、最初から薬剤での治療効果は望めません。
薬剤は急性症状を抑える対症療法は効果はありますが、慢性化してしまっている歯周病には歯周病菌を機械的に取り除く原因除去療法しかありません。
治療で取り除くのは、歯周病菌が表面に付着した歯石などです。

歯石を取り除くことを「スケーリング」といいます。
歯石は非常に硬いため、超音波スケーラーや、スケーラーと呼ばれる器具で取り除きます。

超音波スケーラー

スケーラー

基本的な歯周病の治療法

歯周病の治療は、進行時期によって主に3つの方法が選択されます。

1.スケーリング(主に初期の歯周病)

歯の表面に付着した着色物(茶渋やヤニなど)や歯周ポケットの浅い部分(歯周ポケット3㎜程度まで)に限局した歯石を除去していきます。

初期の歯周病では、歯石の付着している部分が、歯茎の内部のごく浅い部分に付着しているため、超音波スケーラーや、ハンドスケーラーなどを利用して、無麻酔で取り除きます。
若年者の歯肉炎や初期の歯周病はこれで治癒していきます。

2.スケーリング、ルートプレーニング(初期~中期の歯周病)

スケーリングだけでは、取りきれないような歯茎の少し深い位置にある歯石(歯周ポケット4㎜以上)を麻酔下で取り除き、さらに歯石が付いていた根の表面を滑沢な面に仕上げます。
きれいになった歯周ポケットの中に薬剤を注入すると更に効果が上がります。

3.歯周外科手術(中期~末期の歯周病)

スケーリング、ルートプレニングでは治りきらない場合、ルートプレー二ングだけでは、除去できないような深い歯周ポケットのある場合(7~8㎜かそれ以上)には、麻酔下で歯の周囲の歯茎を切開して、歯茎の奥の汚れを直視下で取り除きます。(フラップ手術)

フラップ手術

どういった処置を行えば、効果が望めるかどうかは、歯周病の進行度によって対応がかわります。

しかし、歯周病の治療で共通しているのは、歯(進行していれば歯根)の表面についている歯石(細菌)を取り除かなければ治癒効果は望めないということです。

歯石を取り除くために、歯周ポケットからアクセスしていく手段が3段階にわかれていきます。
上記の歯周治療は歯科医院での処置ですが、どの段階の歯周病の段階でも大切なのは毎日の歯磨きです。

毎日のブラッシング

初期の歯周病ならば、定期的なスケーリングと毎日のブラッシングだけで進行を止めて、健康な歯周組織を維持していくことは十分に可能です。
でも、中期~末期の歯周病の場合、歯科医院での処置を受けただけでは不十分です。
毎日のブラッシングだけではなく、補助的な清掃用具(歯間ブラシ等)や薬剤による洗浄を積極的に行う必要があります。

歯間ブラシ 

フロス

歯石取りのほかにも歯周病に対して有効な治療法には、次のようなものがあります。

歯石取り以外の歯周病治療法

咬み合わせを調整する(咬合調整)

中等度以上に歯周病が進行してくると、噛んだ時に違和感や痛みを感じるようになってきます。
痛みがなくてもグラついた感じがして咬みにくくなってきます。
こういった症状を放置しておくと、歯周病をさらに悪化させる原因なっていきます。
こんな場合には咬み合わせの調整を行なうことが有効です。

歯を連結する (連結固定)

歯がぐらつく場合や、咬み合わせの力に耐えられない場合には、数歯にわたって接着材料で連結固定したり、金属を連結して装着して歯のぐらつきを抑えて咀嚼できるような強度を回復させてあげることがあります。

それでもなかなか治ってくれません

歯周病が進行している場合は、そこまでなるのに何年もの時間が経過していることがほとんどです。

そのため、ある程度進行してしまうと短期間で回復することが困難となり、治療期間も伸び気味になってしまいます。
さらに一度改善しても汚れが溜まればまた症状が現れるため、維持できなければ、再び治療が必要となります。
末期の歯周病では、完治後にもメンテナンス(維持管理)が必要となるため、治療終了がはっきりしにくくなるのが普通です。

とにかく、あきらめず根気よく続けていくことが、一番の近道です。

重度の歯周病を放置したままで、歯が自然に何本も抜けてしまって食事も流し込む物だけで何年も過ごしていました。
全部の歯を抜かなければいけないと諦めていた方です。

重度の歯周病

歯周病治療、むし歯そして義歯を入れて食事ができるようになりました。約8カ月近くかかりましたが、会話にもなれ、外見も若返りました。
でも、これからこれを維持していくこと、これが重要です。

歯周病治療後

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歯周病の進行を止めるには

歯周病の進行を停止させるためには、まずプラークをできる限り取り除き(プラーク・コントロール)、歯周病原菌を少なくさせなくてはなりません。

プラーク・コントロール

同時に患者さんの局所的、全身的な危険因子を取り除いて、改善することによって、生体の防御力を強めることも必要です。

毎日の生活リズムを規則正しく、ストレスの少ない生活環境をつくることも大切です。ストレスが多いと唾液の分泌量が減少し、その結果、唾液中の免疫物質S-IgAが十分働かなくなるからです。

十分な唾液の分泌は、う蝕や歯周病の予防に重要な役割を果たし、口腔の健康の維持増進に大きく影響します。

S-IgAは口腔という局所免疫に関与していますが、全身的な免疫システムが生体の防御という役割を担っているのです。

歯周病の進行を止める

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リーズナブルな歯周病のホームケア

歯科医院での歯石除去などの原因除去を行ったあとの歯周病のホームケアはブラッシングと薬剤でのうがいすすぎが中心でした。

しかし、最近ではプラークがバイオフィルムという観点から論じられるようになってきており、バイオフィルムを除去するには、これまでの歯周病ケアでは不十分であることがわかってきました。

これからの歯周病ケア

特に塩酸クロルヘキシジンをバイオフィルム表面に長時間作用させることで、これを破壊することが可能であるということが実証されて以来、塩酸クロルヘキシジンを含む薬剤を積極的にオーラルケアに利用していくことが推奨されてきています。
おすすめケアグッズ~その1

(1) コンクールF(ウエルテック) http://www.weltecnet.co.jp/

薬用マウスウオッシュ

薬用マウスウオッシュ コンクール

成分グルコン酸クロルヘキシジン⇒殺菌効果
グリチルリチン酸モノアンモニウム⇒消炎効果

<効果>

歯周病のの予防
歯肉炎の予防
むし歯の発生、進行の予防
口臭の防止

内容量100(360~700回分)¥1050
*ブラッシング後の洗口用の薬剤ですが、ブラッシング後に希釈した液を歯ブラシにつけて、歯と歯ぐきのすき間や歯の間に押し込むと、その場所に薬液が浸透していきます。

ゆすがずに少しそのままにしておく方が効果的

ゆすがずに少しそのままにしておく方が効果的です。
歯周ポケットが深いところや、炎症をくりかえすところは、原液を少量つけて、ピンポイントで浸透させていきます。
流動性が高いので、長時間作用させるのはむずかしいです。

(2)ジェルコートF(ウエルテック)

歯磨剤、フッ素コート剤

<成分>

塩酸クロルヘキシジン⇒殺菌効果
フッ化ナトリウム⇒再石灰化
β-グリチルレチン⇒消炎効果
ポリリン酸ナトリウム⇒プラーク付着抑制効果

<効果>

再石灰化を促進
むし歯菌、歯周病菌を殺菌する
歯肉炎、歯周病の炎症抑制
プラーク付着抑制
プラーク、ステイン(着色)の原因の除去

内容量90g(200~300回分)¥1050

* ゲル状のため歯周ポケット内に長時間作用します。

一般的には歯磨剤として使用しますが、コンクールFと同じように歯周ポケット内に歯ブラシの毛先を使って浸透させると、歯周ポケット内のバイオフィルムを破壊する効果が期待できます。
フッ化ナトリウム配合により、初期むし歯の再石灰化効果もあります。

コンクールF、ジェルコートFとも、歯科医院での歯垢、歯石除去後でなければせっかくの効果は期待できません。

また、歯垢、歯石をとったのにまだ何となく口臭や変な味が残るような時には、気になる部位へ薬剤を浸透させると、少しずつ症状が軽減していくことがあります。

おすすめケアグッズ~その2

ルシェロP-10S

ルシェロP-10S
極細の毛が軽い力でも歯のすき間や歯周ポケットに入り込みます。
歯肉にやさしいために、歯ぐきが下がったり、傷ついたりしません。
知覚過敏でしみる歯でも磨くことができます。

力加減はいままでの1/4~1/5くらい 力加減はいままでの1/4~1/5くらい

今までの歯ブラシとは違って、『みがく』というよりも『なぜる』ような感覚で使ってみるとその良さが実感します。
強い力を入れると毛先がたわんでしまうように出来ているために歯がけずれてしまうことがありません。
力加減はいままでの1/4~1/5くらい、少し物足りないくらいですが、十分なブラッシング効果が得られます。

(約100グラム以下の力です)

歯ブラシの力加減

ブラッシングした後に、コンクールFやジェルコートFをつけて気になる部位に浸透させると効果的です。

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歯ブラシの力加減について

毎日の歯みがきでは皆さんはどんなことに気をつけているでしょうか?

「食べたらすぐ磨く」
「寝る前は忘れずに磨く」
「歯の裏側まで歯ブラシをとどかせる」
「歯のすき間にも歯ブラシを入れるようにする」
「歯並びに合わせてたてに磨く」

等々、皆さんそれぞれ磨く際のチェックポイントがあるとおもいます。でも、一生懸命磨くほど、きっちりと磨く習慣のある方ほど歯ブラシをもつ手に力が入っている気がしませんか?

強く磨きすぎるのはよくありません

強く磨きすぎると、歯は逆にすり減ってしまいます。
また、歯ぐきも傷ついて下がってしまいます。

下がった歯ぐき

歯ブラシによる摩耗は、硬い組織の欠損という結果となり、むし歯で失われるのと同じ修復が必要となります。
歯ぐきの退縮は、歯周病による歯ぐきの後退と同じ状態です。
こんなことにならないように、歯ブラシを持つ力加減に少し注目してみましょう。
新しい歯ブラシをおろしても、1週間くらいで、毛先が開き始めていませんか?
これは、明らかに力の入れすぎです。

硬さは普通サイズ(M)の歯ブラシです。

硬さは普通サイズ(M)の歯ブラシ デントEX0

毛先を歯の間に入れようとしたり、良くみががなくちゃと、勢いよく動かすと少し毛先がたわみます。

この時はでももう500グラムの力がかかっています。

参考例)

硬いブラシでゴシゴシト長年磨いてきたために、かなり歯ぐきは退縮

硬いブラシでゴシゴシト長年磨いてきたために、かなり歯ぐきは退縮してしまっています。
歯ぐきに近い所の歯はけずれて、普通の水でもしみてしまって、知覚過敏状態になっているために、充填処置が必要になってしまいました。

つい力が入ってしまうなら、歯ブラシをかえてみましょう!

この歯ブラシは100グラム程度の強さでもこれだけの毛先のたわみがあります。

毛先のたわみ 毛先のたわみ

毛先がはじかれることなく歯の間に入っていっています。

このくらいなら、歯の摩耗も起こらず、歯ぐきも傷つくことはありません。

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歯周病の危険因子~知られざる歯周病の脅威

口の中と全身は密接に関係しています。

歯周病は、成人の8割以上がかかっており、国民病とも呼ばれていますが、口の中だけの問題だはなく、さまざまな病気と関連していることがわかっています。

20代前半の方でも口の中は歯周病にり患しています

* 20代前半の方でも口の中は歯周病にり患しています。

いつまでも健康に毎日を楽しく過ごすためには、しっかりとした正しいお口のケアによって、歯周病を予防することが大切です。
そのためにも、歯周病についての正しい知識と予防法を身につけましょう。

歯周病と関連のある病気として

歯周病と関連のある病気

認知症

何らかの原因で脳が委縮するアルツハイマー型と脳卒中の後遺症として起きる脳血管型があります。
歯周病の予防が認知症の予防につながることが証明されています。

動脈硬化

高血圧や脂質異常が進んで血管が厚く硬くなります。
動脈硬化をおこしている血管の細胞から歯周病菌が検出されているとの報告があります。

がん

歯周病菌によって炎症がおこり、それが続くことで正常細胞に異常がきたし、発癌にむすびつくという説も出てきています。

肺炎

歯周病菌など、口の中の細菌が気管に入り込み、肺炎にかかることもあります。
高齢者、寝たきリの人や、脳卒中の後遺症などで飲み込む力が低下しているとおこりやすくなります。

狭心症、心筋梗塞

心臓の筋肉に栄養を送る冠動脈が狭くなったり、詰まることでおこる心臓病です。
歯周病がこのリスクを高めることがわかってきています。

心内膜炎

心臓の弁に歯周病菌が感染しておこることがあります。
基礎的な病気がある人は要注意です。

糖尿病

血糖値が高い状態が続いておこります。
ひどくなると、さまざまな合併症をもたらし、歯周病もその一つといわれています。

骨粗しょう症

女性に多く、骨密度が低くなり骨がもろくなる病気です。
骨粗しょう症の人が歯周病になると歯槽骨(歯をささえる骨)が急速にやせてしまいます。

バージャー病

手や足の指先が青紫色になって強い痛みがおこり、潰瘍になってひどくなると細胞が死んでしまう(壊死)病気です。
歯周病に関係するといわれています。

エイズ

歯周病菌がいったん活動がおさまったエイズウイルスを再び活性化させてしまうといった報告もあります。

肥満

肥満はさまざまな生活習慣病の温床です。
よく噛んで間食を減らせば、食べカスが歯に付く機会がへり、歯周病が防げ、同時に肥満も防止できます。

肥満

胎児の低体重、早産

妊娠中はつわりなどで、口の中のケアがむずかしくなりがちです。
歯周病が妊娠、出産に影響を及ぼすというデータも出ています。
関連ページ⇒歯周病が妊娠の成功率に悪影響を及ぼすことが報告されました。

歯周病は細菌感染による炎症ですが、増殖した細菌は炎症を引き起こす物質を生み出します。
こららの物質の一部や細菌の一部が血管の中に入り込んで、全身にさまざまな悪影響を及ぼすと考えられています。

全身の健康を維持し、健やかな生活を送るためにも、歯科医院で歯周病の早期発見、早期治療をすることが大切です。

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歯周病菌は血流に乗って全身に運ばれていきます。

歯周病菌は血流に乗って全身をかけ巡ります。

そして、いろいろなところで病原性を発揮していきます。
歯周病は歯を失う原因になるだけでなく、全身に影響を及ぼすことがわかっています。

歯周病菌
歯周病があると歯周病菌や、炎症によって生じる物質などが血液中に侵入して全身に運ばれ、さまざまな悪さをする結果、動脈硬化や心臓病、脳卒中をおこしたり、糖尿病を悪化させたり、骨粗しょう症、早産や低体重児出産のリスクを高めたりします。
ほかにも、口の中の歯周病菌が誤って気管に入って誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)をおこす危険性もあることなどが、以前から指摘されていました。

普段は口の中にとどまっており、唾液や食物とともに食道を経由して胃に達しても胃酸の作用で殺菌されてしまいます。
しかし、全身の抵抗性が低下していたり、糖尿病などの基礎疾患を有している場合はなんとかここをくぐり抜けてしまいます。

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その結果血流に乗って全身を回り、心臓の弁などに巣くって病原性を有してしまうこととなります。

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歯周病と喫煙との関係

―喫煙習慣は歯周病を発症、増悪させる最大のリスクファクターです―

喫煙者は非喫煙者に比べて重度の歯周病に罹患する確率が5~7倍も高いといわれています。

喫煙は歯周病増悪因子として、その進行に大きな影響を与えています。
歯周病という細菌感染症に対して、喫煙者は生体防御の役割を担っている白血球の機能が低下し易くなっています。

ニコチン一酸化炭素の影響下で抹消の血管障害がみられます。
歯周組織においても循環障害が起こり、炎症症状が惹起または増悪される結果となります。

この炎症症状は多くの場合、痛みも無くゆっくりと進行してくため、自覚しにくく、かなり悪くなってからでないと気づきません。

―喫煙は歯周組織の老化を促進します―

喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病の進行も早く、重度となっています。
また、20代30代においても、年齢よりも早いうちからの歯周病組織の破壊と退化傾向が顕著です。
活性酸素を除去するためのビタミンCが喫煙によって消費されてしまい、歯肉になる線維芽細胞のコラーゲン合成が阻害されてしまいます。

口腔清掃が同程度に行われていたとしても、歯周病の罹患率は明らかに高くなっています。

―治療効果が劣ります―

ヤニ

たばこのタール成分(ヤニ)が歯周病の原因となる歯垢(プラーク)歯石を歯に付きやすくしてしまいます。
そのため、喫煙者の治療効果は非喫煙者にくらべ明らかに不良で、再発し易い傾向にあります。

―口臭の原因となります―

たばこを吸っている人の口臭の原因は、たばこに含まれるニコチンとタールにあります。

タールによるタバコ臭

たばこに含まれるタールは、髪や衣服、歯や舌の表面に付着し、強い臭いを発します。
これが喫煙者がみな同じようなヤニ臭さを漂わせている理由です。
喫煙者の歯の裏側はヤニで真っ黒です。ヤニ取り用の歯磨き粉をつかって磨いても取れません。
喫煙者の口臭の主な原因は、このヤニが歯垢(プラーク)や歯石、舌苔(舌の表面に付く白い汚れ)に付着することで、起こります。

ニコチンによる口の乾き

関連ページ⇒ドライマウス

唾液は口の中」を清潔に保ち、歯に歯垢や歯石が付くことを防ぎます。

しかし、ニコチンは口の中の血液の循環を低下させることで、唾液の分泌を抑えてしまいます。

最近の調査では喫煙者は非喫煙者の1.4倍も口が臭い人が多いことがわかっています。

―喫煙者の糖尿病は更に歯周病を増悪させます―

糖尿病になると、

血行障害が起こります。(微小血管障害)高血糖により体を守る白血球(好中球)の機能が低下します。
コラーゲンの合成が低下し、歯周組織の再生能力が低下します。
などのため、歯周病菌に慢性的に感染し易くなります。
喫煙習慣により歯周病はさらに増悪してしまいます。

ニコチン

心臓血管系に急性に作用し、血圧上昇、抹消血管の収縮、心収縮力の増加が起こります。

一酸化炭素

たばこの煙に含まれる一酸化炭素は、血液中のヘモグロビンと結合します。
この結合は酸素の240倍もあるため、一酸化炭素がたばこにより取りこまれると、ヘモグラビンの酸素運搬能力を低下させ、全身的な酸素欠乏を引き起こします。

タール

喫煙時に生ずるタールは熱分解した際に生まれるものですが、その中には多くの発癌物質が含まれています。
タールは呼吸器系の疾患や癌と関係が深いと考えられています。

ビタミンC

1本のたばこを吸うとビタミンCの1日の必要量の約半分が使われてしまいます。
どんなに配慮した食事や果物を摂取しても、皮膚細胞の老化に追いつきません。

喫煙は美肌や健康な歯肉の大敵です。

―喫煙と歯周病の相関関係が、近年の欧米の研究で明らかにされています―

・喫煙者の歯周炎は非喫煙者の歯周炎よりも重度

・喫煙の累計本数が増加すると重症度が増す

・禁煙すると歯周組織に改善が見られる

・歯周治療の効果は、非喫煙者より喫煙者のほうが著しく低い

禁煙

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受動喫煙でも歯周組織はダメージを受けています

受動喫煙によるニコチンの吸収でも歯周組織の細胞に為害作用を及ぼしていることがわかってきました。

喫煙

ヒトの歯周組織中の線維芽細胞ニコチン(硫酸ニコチン)を作用させると、線維芽細胞はストレス反応性タンパク質(CgA:ChromograninAを産生させます。
CgAにより産生されるiNOS(誘導型一酸化窒素合成酵素)に対して、ヒト線維芽細胞はその発現を抑制させるようなサイトカインを発現させていることが確認されました。

受動喫煙による化学ストレッサーとしてのタバコが、歯周組織局所において、細胞障害のストレスを引き起こし、ストレスが歯周病の発症、進行に明らかに関与していることが実証されました。

関連ページ⇒受動喫煙

誘導一酸化窒素(NO)合成酵素 iNOSとは、

血管拡張作用
血小板凝集抑制作用
NOは細胞障害作用や殺菌作用など種々の作用を示す。

サイトカイン (cytokine) とは、

免疫システムの細胞から分泌されるタンパク質で、特定の細胞に情報伝達をするものをいいます。
多くの種類がありますが、特に免疫、炎症に関係したものが多い。
また細胞の増殖、分化、細胞死、あるいは創傷治癒などに関係するものがあります。

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受動喫煙・・・「たばこ」 は 本人よりもまわりの人に害が

主流煙より副流煙に !

たばこの煙の中には、約40種類の発がん物質を含む、数千種類の化学物質があります。

タバコを吸う男たばこの主な有害物質として、習慣性があるほか血管を収縮させて血流を悪くしたり、血管の老化を早めるニコチン、全身への酸素の運搬を妨げる一酸化炭素、発がん物質のベンツピレンやニトロソアミン、そしてダイオキシンまで含まれているのです。

たばこの煙は、その性質により2種類に分けられます。
一つは、たばこを吸う人(喫煙者)が吸い込む主流煙で、もう一つは、火のついた先から出る副流煙です。

主流煙は、燃焼温度の高い部分で発生し、たばこの内部やフィルターを通過するのに対して、副流煙は燃焼温度が低いため、主流煙に比べて有害物質が高い濃度で含まれています。

たばこの煙に含まれる有害物質

(物質名 )       (性質 )          (主流煙に対する副流煙の含有量 )

ニコチン         有害物質            2.8倍
ナフチルアミン      膀胱発がん物質         39.0倍
カドミウム        発がん物質・肺気腫       3.6倍
ベンツピレン       発がん物質           3.9倍
一酸化炭素        有害物質            4.7倍
ニ卜ロソアミン      強力な発がん物質        52.0倍
ちつ素酸化物(NOX)   毒性              3.6倍
アンモニア        粘膜刺激・毒性         46.0倍
ホルムアルデヒド    粘膜刺激・せん毛障害・咳反射   50倍

喫煙

灰皿に置いたたばこから立ちのぼる煙は、量は大したことはないのに、ツンとする刺激臭がして、目が痛んだり咳き込んだりすることがあります。
これは主流煙よりも、刺激物質が多く含まれているせいなのです。
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歯周病と糖尿病の関係、そして肥満とも関係が!

日本人の糖尿病患者数は600万人を越し、さらに糖尿病予備軍 が1500万人いると推測されています。
糖尿病は、食物から摂取された糖質が体内で有効に使われないために、血液中にブドウ糖(血糖)が増加する病気です。

なぜ、糖尿病の人は歯周病になりやすいのでしょうか?

まだこの詳細な仕組みは解明されていませんが、血糖値が高い状態が続くと、体の免疫機能が低下してさまざまな感染症にかかりやすくなったり、糖分を多く必要とする歯周病菌が増殖しやすくなるためではないかと考えられています。
コントロールされていない糖尿病罹患者の場合には、下記のような口腔症状が見られます。
<コントロールされていない糖尿病患者の口腔症状>

1.傷の治りが遅い
2.唾液の分泌量が減り、口がかわく

唾液の量が少なくなるとプラークや歯石の量が増加し、ムシバや歯周病にかかりやすくなります。
また、投薬を受けていると、副作用で唾液量が減少する場合もあります。

3.口腔粘膜や舌に灼熱感がある

4.歯肉溝(および歯周ポケット)内滲出液中に糖が増加するプラークの形成が促進されます。
歯周病菌が、歯とハグキの間の溝である「歯周ポケット」から簡単に血液中に入り込んでいくことも大きな問題です。
歯周病菌が血液中に多量に存在すると、致命的な感染症を起こすこともあります。

現在の糖尿病の診断は

(1)早朝空腹時血糖値126㎎/dl以上、
(2)75g経口ブドウ糖負荷試験で2時間値200㎎/dl以上、
(3)随時血糖値200㎎/dl以上で(1)~(3)のいずれかの

血糖値が確認され、別の日に行った検査で、(1)~(3)のいずれかで再確認できれば糖尿病と診断できる。

歯周病は従来から糖尿病の合併症としてとらえられ、主因として、

コラーゲンの合成阻害
マクロファージや好中球の機能異常
微小循環障害
終末糖化産物(AGE)の炎症性組織破壊の関与
そして炎症性サイトカインの関与などが考えられています。

歯周病を治していくことで、糖尿病が改善される可能性がでてきます

さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化する、という逆の関係も明らかになってきました。つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになってきたのです。

歯周病が重症である程、血糖コントロールは不良となる傾向にあります。
でも局所治療にて歯周組織の慢性炎症を改善すると、インスリンの抵抗性が軽減して、血糖コントロール状態が改善することが報告されています。

現在のところ、歯周病の悪化が糖尿病悪化を招くことよりも、糖尿病が悪化すると歯周病が悪化する症例のほうがより多く経験されるようです。

根気強く治療を続けていきましょう

どちらも、慢性の疾患であるという性格から根気強い治療を続けていくことが肝心です。
しかし、良くコントロールされた糖尿病患者では、一般の歯科患者さんの場合と同程度の治療効果が得られます。

肥満と歯周病にも密接な関係があります

この関係が明らかになってきた背景には、歯周病が、糖尿病だけではなく、その前段階と言える「肥満」とも密接な関連があると分かってきたことが挙げられます。
ある調査では、肥満の人に歯周病が多いということも報告されています。肥満の人は普通体重の人に比べて、歯周病に約1.5倍もかかりやすいといわれています。

肥満

歯周病は、40代では80%以上の人がかかっている非常に有病率の高い病気で、中高年者が歯を失う最大の原因になっています。最近は、単なる歯の病気としてだけでなく、糖尿病や心臓病など全身性の疾患とも密接な関係があることも明らかになってきました。

肥満の人の内臓脂肪には「TNF-α(腫瘍壊死因子)」という物質がたくさん発現しています。この物質は、白血球の一つ、「単球(マクロファージ)」からも分泌されて、炎症反応を活発化させるのに重要な役割を果たしていることが分かっています。
つまり、肥満の人は、常に体内が炎症状態にあると言えるのです。

こうした場合に何らかの感染症にかかると、さらに全身の炎症がひどくなるとみられています。歯周病も感染症なので、より炎症が悪化するというわけです。
それに加えて、歯周病菌の死骸が「内毒素」と呼ばれる多量の毒素をまき散らすことが、血糖値にも悪影響を及ぼします。
血液中の内毒素は、脂肪組織や肝臓からのTNF-αの産生を強力に推し進めます。TNF-αは、血液中の糖分の取り込みを抑える働きもあるため、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを邪魔してしまうのです。

肥満も歯周病を悪化させる因子となります

脂肪細胞から分泌されるTNF-α(腫瘍壊死因子)という物質は、骨吸収を促進する作用があることが知られています。
肥満の人では脂肪組織が分泌したTNF-αが歯槽骨の吸収にも関与し、歯周病を重症化させているのではないか、と考えられています。
内毒素(歯周病菌の死骸)⇒TNF-aの産生⇒血液中の糖分の取り込みを抑制⇒インシュリンの活動を抑えてしまう

糖尿病の悪化へ

これまで歯周病の危険因子として、加齢や糖尿病、喫煙などが知られていますが、今後は肥満にも注目する必要がありそうです。

歯周病+肥満がそろうと糖尿病予備軍

インスリンの働きが悪くなると、血糖値が下がりにくくなります。つまり、歯周病も肥満も、TNF-αの分泌を活発にすることで血糖値のコントロールを悪化させ、結果的に糖尿病の発症につながる可能性があると考えられるのです。
BMIと歯周病罹患との関連について分析したところ、肥満者は普通体重者に比べて歯周病にかかるリスクは1.55倍認められました。

BMI:ボディマス指数、肥満度の判定基準

全身の健康も考えて歯周病を予防しましょう

「歯周病」とは、細菌(歯周病菌)の感染によって、ハグキなどの組織に炎症が起きる病気です。
最近、歯周病は口の中の問題だけではなく、さまざまな全身性の病気とも深くかかわっていることが明らかになってきました。
歯周病菌がつくる毒素や炎症を引き起こす物質は、歯周病の病巣から血液中に入り、全身に影響を及ぼす可能性があります。

実際これまでにも、口の中の慢性的な炎症や歯周病菌と、糖尿病や心筋梗塞、肺炎、低体重児出産―などとの関連性が報告されています。

歯周病についての正しい知識を持ち、歯周病菌が媒介となって起こる体へのさまざまな影響を考えて、口と歯のケアに努めることは、重要です。

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歯周病菌は心臓疾患の原因になることがあります

口の中には500種類以上もの細菌がいます。

歯の周囲を中心に、口腔内からは何と500種類以上もの細菌が見つかります。
このうち、虫歯や歯周病の原因となる菌は、虫歯や歯周病だけでなく全身の健康にも害を及ぼし、場合によっては、心臓病など命を奪う病気にも関与していることが最近明らになってきました。

歯垢(プラーク)1㎎中には1億個もの細菌がいます。

歯垢は、食べ物のカスなどと誤解されがちですが、細菌のかたまりであり、歯垢1mg中には何と1億個もの細菌が存在しています。
歯周ポケット内細菌のほとんどは、グラム陰性桿菌とスピロヘータです。

細菌

ふだんはおとなしく、共存しています。
これらの細菌(常在菌)は、バイオフィルムの中では睡眠状態で静かにしていますが、何らかの原因で血流中などに入り込むと、より強い病原性を持つようになります。
もちろん健康な人では、血液の中にこれらの細菌が少し入ったとしても、免疫系の働きにより、速やかに駆逐されてしまうので問題はありません。

歯周病菌が優勢になったら要注意!

しかし、血流に入り込む菌の数が多かったり、癌や糖尿病の患者さん、高齢者など免疫力が低下している人では、致命的な感染症になることがあります。

また、心臓の弁膜に障害がある人では、血流中に入った細菌がその部位に付着して増殖し、バイオフィルムを形成して、細菌性心内膜炎を引き起こすことが知られています。

歯周病が中等度以上になると

歯周病が進行して、歯周ポケットが深くなると、細菌は血流中に侵入しやすくなるので注意が必要です。
歯周病のある人では、歯磨きをしたり、食事中にものを噛んでいるときでも、歯周ポケット内の細菌が歯肉の上皮を通り抜け血管内に入り込んでいます。
歯周病にかかっていたり、歯周病で歯を失った人は、歯周病にかかっていない人に比べて心筋梗塞が多いことが明らかにされています。
歯周病菌が動脈硬化に関与することを示す研究結果も報告されています。
歯周病菌が動脈硬化部位から検出されることが実際に報告されています。

歯周ポケットが深くなると、歯周病菌の病原性が強くなります。

歯周ポケットが深くなると、歯周病菌の病原性が強くなる

冠状動脈狭窄部位からの歯周病菌の検出率は、患者の歯周ポケットの深さと関連することも分かりました。
このことは、歯周ポケットが深くなるほど、血液中に侵入する歯周病菌が多くなっていることを示しています。

歯周病菌はどのように動脈硬化性疾患の発症や進展にかかわっているのでしょうか。

その一つとして、歯周病菌が作り出す毒素成分(内毒素)がかかわっている可能性が挙げられます。
内毒素は、好中球やマクロファージといった免疫細胞に取り込まれて血液中を運ばれ、血管壁などで炎症性サイトカインの産生を促し、コレステロールの沈着や細胞傷害などを起こすのではないかと考えられています。

定期的な歯石除去が心臓疾患のリスクを下げる可能性があるとする研究発表が報告されました。

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歯周ポケットを極力なくすことがポイントです。

動脈硬化、ひいては心筋梗塞などの発症を防ぐためにも、歯周病原性細菌の温床となる歯周ポケットを極力なくし、歯周病の予防と治療に努めることが大切となります。

なお、口腔内の細菌が形成するバイオフィルムには、抗菌薬は浸透することが容易にできないため、フィルム中の菌を簡単に殺すことができません。
また、私たちの体の免疫反応も、バイオフィルムに対しては、歯が立ちません。

積極的に歯周病の治療を受け、プラークコントロールをしましょう。
歯周ポケットが深くなっている場合、歯周病の治療を受けて、歯周病菌の全身への影響を事前に防ぐ必要があります。

プラークコントロール

さらに日ごろから、歯磨きなどで手間隙かけて、機械的に歯垢を取り除く必要があることを知っておきましょう。

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定期的な歯石除去は心臓疾患のリスクを下げる可能性があります。

定期的な歯石除去は心臓疾患のリスクを下げる可能性があることが発表されました。

2011年11月15日のAFP通信は、定期的な歯石除去は歯を美しくするだけでなく、心臓発作脳卒中のリスクも下げる可能性があるとする研究結果が、13日に米フロリダ(Florida)州オーランド(Orlando)で開かれたアメリカ心臓協会(American HeartAssociation、AHA)の学会で発表されたことについて配信しました。

発表によると、歯石を除去してもらったことがある人は、一度も除去してもらったことがない人に比べ、心臓発作リスク24%脳卒中リスク13%、それぞれ低かったのだということです。

歯石を除去

その理由として、定期的な歯石除去をしていくことで、心臓発作脳卒中につながる炎症を引き起こすバクテリアの増殖が抑制されることが考えられています。

歯周病と骨粗しょう症との関係

骨量が少ないほど、残った自分の歯が少ない傾向が認められます

歯は主に歯肉(歯茎)と歯肉の中にある歯槽骨という骨に支えられています。
ところが、これらの歯周組織が歯周病菌に感染すると炎症が起こり(歯周炎)、悪化すると「歯の支え」が破壊され、歯を失うことになります。
一方、骨粗しょう症は骨密度の低下(骨量の減少)によって骨がスカスカになる病気であり、とくに高齢者では骨折から寝たきりになる大きな原因となっています。

寝たきり

女性ホルモンは骨量の減少を抑えているため、それが急激に減少する更年期以降の女性はとくに、骨粗しょう症予防が大切といえます。

歯周病の症状が進行している人ほど、「骨粗しょう症の疑いが強い」と診断される割合が高いという結果が得られました。

更年期の女性は、カルシウムやイソフラボンを積極的に取っていきましょう。

更年期以降の女性は、女性ホルモン(とくにエストロゲン)の分泌量が減少することで、骨密度が低下しやすくなります。

骨は、形成と吸収(破壊)をくり返す「骨代謝」が行われていますが、エストロゲンが減少すると、この代謝バランスが崩れ、骨の破壊が進んでしまうためです。

骨密度の低下

骨密度の低下は、骨粗しょう症だけでなく、歯を支える歯槽骨の破壊にもつながり、歯が抜けるリスクを高めます。
また、エストロゲンの減少は、炎症性サイトカイン(免疫システムの細胞から分泌される炎症に関係するタンパク質)やプロスタグランディン(ホルモン様物質)の異常産生を招き、歯周病菌によって生じた炎症を、さらに悪化させます。
更年期以降の女性では、歯周病と骨粗しょう症は、予防においても治療においても、一緒に取り組んでいくほうが、有効であるということです。

カルシウムを多くとるほど歯周病のリスクが低くなります。

レストラン カルシウムやビタミンDを十分にとっている人は、歯の喪失が少ない傾向にあります。
女性ホルモンを補うホルモン補充療法を受けた人は、全身の骨だけでなく歯槽骨の状態も改善してきています。
カルシウムは骨の構成成分、ビタミンDはカルシウムの吸収を促進する成分です。

カルシウムを多く含む主な食品

牛乳、乳製品(ヨーグルト、チーズなど)、小魚、大豆、
大豆製品、緑黄色野菜など

カルシウムを多く含む主な食品

日本人の日常の食事で、とくにカルシウムは不足しがちな栄養素の一つなので、いろいろな食材から工夫してとるようにしていく必要があります。

また、女性ホルモンのエストロゲンによく似た作用をする成分にイソフラボンがあり、これも食事からとることができます。

イソフラボンを多く含む主な食品
大豆、大豆製品(納豆、豆腐、きなこ、豆乳、みそなど)

イソフラボンを多く含む主な食品

私たちが骨粗しょう症歯周病の対策として日常的にできることは、適度な運動を行い、栄養バランスのとれた食事を心がけることです。

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歯周病と誤えん性肺炎の関係


誤嚥性肺炎
とは食べ物や唾液が誤って気管支に入ってしまうために起こる肺炎のことです。

お年寄りや食べる機能に障害のある人は眠っている間に唾液を誤嚥してしまい、口腔内の細菌によって肺炎を起こす事がよくあります。

ベットのおじいさん

つまり、歯周病を放置したり口の中が汚れたままであったりすると、肺炎を起こすリスクは高くなるということです。

ある老人ホームで肺炎の発症率を調べたところ、1日1回歯を磨いていたグループの肺炎発症率が11%だったのに対して、歯磨きをしなかったグループは19%が肺炎になったという報告があります。

誤嚥性肺炎とは?

誤嚥性肺炎は近年の高齢者の死因のもっとも多い原因となってきています。

高齢者の直接の死因で最も多いのが肺炎です。
その原因菌が口の中に潜伏しています。
高齢者は嚥下機能が低下しています。
そうすると、知らず知らずのうちに鼻、喉、口の細菌が気管へ流れ込むようになります。

闘病

長年癌を患っていた某有名俳優の最終的な死因として、肺炎が新聞で報じられていました。
癌治療による体力の低下は、喉の嚥下反射を低下させていくために、食事だけでなく自身の唾液さえもが誤嚥されて、肺炎を起こしてしまいます。

お年寄りは簡単に咳反射が起こらず、知らないうちに細菌が気管支に入り込んでしまうため、誤嚥が起きることになります。
高齢者の肺炎の多くは、誤嚥性肺炎です。
流れ込む細菌が多すぎたり、気道を通って肺に入り込んだ場合には、防御作用を発揮することができなくなり、重篤な肺炎となり命を奪われることもあります。

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誤嚥性肺炎とは?

誤嚥性肺炎は、細菌が唾液や胃液と共に肺に流れ込んで生じる肺炎です。

高齢者に多く発症し、再発を繰り返す特徴があります。
再発を繰り返すと耐性菌が発生して抗生物質治療に抵抗性をつため、優れた抗生物質が開発された現在でも、多くの高齢者が死亡する原因になっています。

介護

誤嚥性肺炎はどうして起こるのですか?

誤嚥性肺炎は、脳卒中全身麻痺、あるいは麻痺などの症状のない脳梗塞において、神経伝達物質の欠乏によって、咳反射嚥下反射の神経活動が低下して起こります。

咳反射嚥下反射が低下しますと、知らない間に細菌が唾液と共に肺に流れ込み(不顕性誤嚥)、この細菌が肺の中で増殖して誤嚥性肺炎が起こります。
また、胃液などの消化液が食べ物と共に食道を逆流して肺に流れ込み、誤嚥性肺炎が起こることもあります。

誤嚥性肺炎は予防できるのですか?

再発予防には、脳梗塞後遺症として使われるアマンタジンや抗血小板作用を持つ脳梗塞予防薬が有効です。
これらの治療薬は咳反射や嚥下反射を改善し、脳梗塞を予防して誤嚥性肺炎を予防します。
咳反射を亢進させる降圧薬であるACE阻害薬も有効であるという報告もあります。

薬

また、歯磨きを毎日して口の中の雑菌を減らしたり、食後に一定時間(2時間)座ってもらって胃液逆流を防ぐことも誤嚥性肺炎の予防にとって大切です。
さらに、高齢者では、歯ぐきをマッサージしますと、嚥下反射が改善して誤嚥性肺炎の予防に役立ちます。

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歯周治療と認知症との関係

歯周病の進行と認知症は相関関係にあることが明らかにされてきています。

近年歯周病は糖尿病や血管疾患など全身疾患へ影響することがおおくの研究で指摘されており、血液検査によって歯周病菌が全身に曝露されていることが検出されています。

このたび、コロンビア大学の研究者らは、高齢者における重度歯周病への罹患と認知機能の低下との間に関連性を見出したことを発表しました。

歯周病菌の血清抗体価、および認知症患者のスクーリーニングに用いる記憶力テストを使って、60歳以上を解析しました。

解析の結果、歯周病の重症度に比例して長期的記憶力や計算力が有意に低下することが示されました。

原因として、歯周病原性細菌による全身性の炎症反応が脳に影響し、認知機能障害のリスクファクターとなる可能性があるとのことです。

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歯周病が妊娠の成功率に悪影響を及ぼすとする研究成果が発表されました。

スウェーデンのストックホルム(Stockholm)で開催中の欧州ヒト生殖学会(European Society of Human Reproductionand Embryology、ESHRE)の会議で2011年11月5日、歯周病が妊娠の成功率に悪影響を及ぼすとする研究成果が発表されました。

西オーストラリア大(University of Western Australia)の研究チームが行った医学的調査の結果、妊娠までの期間が、健康な歯ぐきを持つ妊婦では平均5か月だったのに対し、歯周病の妊婦では平均7か月を要していたという。

口腔内の炎症が生殖系の組織に波及効果をもたらしている可能性があることからの結果だろうと関係した研究者は推測しています。

妊婦さん

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歯周治療の基本

◆プラークコントロールとは

 プラークコントロールプラークコントロール

プラーク(正しくはバイオフィルムをコントロールすることですが、プラークコントロールという言葉が広く行きわたっているのでここではプラークコントロールといいます。)は多くの種類の細菌集団です。 歯と同じ色をしているので、歯垢染色剤を用いて染め出しをすることもあります。

それぞれの患者さんの状態を詳しく診査、診断し、個人に適したプラーク・コントロール・プログラムを立てて、指導や治療にあたります。

歯と歯周組織に関与する細菌の生態系(エコシステム)を、ゾーン1~4に分類します。 歯周炎の危険因子はこのゾーン2、3、4の生態系に直接的、間接的にさまざまな影響を及ぼします。

―歯肉縁上プラーク(バイオフィルム)―

ゾーン1··········· 齲蝕や歯肉炎の発症に関係 →ブラッシングで除去可能

小児や若年者の歯周疾患に多い。

こども

―歯肉縁下プラーク(バイオフィルム)―

ゾーン2······付着性プラーク

歯肉炎の場合の縁上プラークと類似 →歯周ポケット内のブラッシングと洗浄で除去できます。
成人の初期の歯周疾患   ここが歯周病の始まりです。
      *油断をすると、ゾーン3へ進んでしまいます。

細菌

ゾーン3······非付着性プラーク

大部分は、グラム陰性の嫌気性菌
ポケット内部 で菌は増殖して、歯石を形成します。
→ブラッシングだけでは除去できません。
歯科医院での歯周治療が必要となります。
歯周炎の進行に重要な役割 、いくつかの症状がでてきます。
出血、口臭、歯ぐきの腫れ、歯がしみる、等々

ゾーン4······結合組織や歯槽骨内に侵入した細菌、進行性の歯周疾患

この領域では器械的な治療だけで治癒しにくくなります
そのため、全身的な抗生物質の投与が必要 になったり、
歯周外科的な処置を併用しないと、歯が喪失することにもなります。

歯周外科的な処置を併用

Q 何故プラークコントロールするというのでしょうか?
プラークを全く取り除く、または出来なくすると考えれば歯周病も虫歯も無くなると考えることができます。でも、無くなってしまった場合どうなるかというと、口の中は生体のなかでは基本的には外部なので、常に食事や呼吸、会話などによって外からの様々な菌の侵入にさらされています。

このとき外部からの重篤な病原菌やカビなどが入り込み感染してしまいます。ある程度のプラークと口の中の細菌の存在は、侵入は許してもそこでの付着増殖をさせないようになっています。

そこで、存在は認めても、増えることはさせないようなお付き合いをしていくイメージがプラークコントロールといえます。

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